二次短編小説置き場ブログ支部byまちゃかり

主にウマ娘の短編を投稿してます。基本的にあるサイトからの自作転載となります。

嫉妬シュヴァルと性癖ドブカスヴィブロストレ

 最近、ヴィブロスにも念願のトレーナーさんがついたらしい。

「よろしくお願いします先輩!」

「お、おう。よろしく」

 ヴィブロストレはモデルに出てそうなスタイル抜群の美女だった。そして現在、ヴィブロストレは挨拶と称して僕のトレーナーさんを芳醇な身体で誘惑している。トレーナーさんは誰のものかを知らないで、許さない。

 否、そうだ。僕は既にトレーナーさんと婚約の約束してるんだ。心配しなくても大丈夫だよね。それはそれとして、あの女は危険だ。僕の勘はあまり当てにしてないけど、早めに排除しなきゃいけないかもしれない。


(アカン。さっきからシュヴァルの嫉妬オーラがオーバーフローしてる。今にもヴィブロストレを食べちゃいそうなくらいな圧力を隠しきれてない。早めに手を打たねば)


「ちょっと外で待ってて、ヴィブロストレ。担当が暴走寸前だからちょっとお話をね」


 僕はトレーナーさんの動きに呆気に取られていた。トレーナーさんが一切の迷いなくヴィブロストレを部屋の外へ叩き出したからだ。ドアを閉めて流れるように僕に急接近してきたトレーナーさんは、どこか僕に呆れてるような、そんな顔を浮かべている。

「単刀直入に聞くけどさシュヴァル。さっき無茶苦茶嫉妬してたよな。それもヴィブロストレを殺したいぐらいには」

「も、もちろん。怖かったから……だって、NTR展開って大体こっから始まるしィ痛ったぁ!?」

 いきなり僕の額にデコピンをしてきたトレーナーさん。ジンジンして痛い……

 デコピンしてきたトレーナーさんは少しだけ不機嫌そうな表情で僕を見ながらこう言った。

「ぼくはこう見えてシュヴァル一筋四年なんだけどな。心配しなくてもさ」

「アウッ、一筋……で、でも……」

「気持ちは痛いほどよくわかる。けど、ぼくを信じてよ。第一ヴィブロストレはタイプじゃないし」

「分かりました。トレーナーさんを信じます……でも僕一筋かぁ、トレーナーさんが僕好きすぎて困るなぁエヘヘ……」


◇んで


 紆余曲折あって、トレーナー室を舞台にヴィブロストレさんと雑談する流れとなった。そうは言ったが、ほぼほぼヴィブロストレさんの一方通行だったと思う。だって何話したらいいか分からないし、さっきので気まずいし。幸いにもヴィブロストレはベラベラ喋るタイプだったので、僕は相槌に専念することができた。

 トレーナーさんはコーヒー作っていて不在。正直早く戻ってきてと願いながら相槌うっていた。

 数分、僕にとっては体感数時間でトレーナーさんはコーヒーを手に持ち戻ってきた。これで負担が減ると心の中でほっとしている自分がいた。

 

「そういえば、君とヴィブロスってどういう経緯で契約したの?」

 その件に関しては僕も気になっていたので、トレーナーさんの質問に僕も同調した。ヴィブロストレは左手の指を動かしながら考えた素振りを見せた後、こう答えた。

「そうですね〜。強いて言えば仄かなランドセルの匂いがしたからですね! 幼女の波動っていうかぁ」

 

「……ん? いま、なんて?」

 

「小学生にお胸がセットされてるの最高じゃあないですか! だから契約しました!」

 

 場が凍りつくとはこのことを指すのだろう。予想外すぎる返答にトレーナーさんは目が点になって固まっている。僕は僕で、何を言ってるのか分からなくて、何も喋れなくなっていた。

 そんな空気を知ってか知らずか上機嫌すぎるヴィブロストレは、聞いてない性癖開示までしながら喋り倒していた。


「闇サイトでポチ〜した小学生の髪を吸ってからあたしはモノホンを嗅ぎ回したいと思って今まで生きてきました! ああ、今すぐ通学路に飛び込みたい! 全裸で!」

「シュヴァル、こういう時って人殺してもいいんだっけ?」

 凍りつくような低音ボイスでそう告げたトレーナーさんは既にポケットから鎖分銅を取り出している。ヤバい、青筋見えてるし今すぐ止めなきゃこの人なら殺りかねない。

「ま、待って。ダ、ダメですからね!」

「そうそうシュヴァルくん。ヴィブロスより年下な幼女ってまだいますか。いたら是非とも紹介してほしいです☆」

 空気を読まない暴走機関車ヴィブロストレ。一周回ってまた嫌いになってきた。そもそもこの人は何を言ってんだろう。ヴィブロスより幼女って……

 あっ嗚呼、そうか。やっと分かったこの人の本質。この人はおそらく小児性愛者だ。だから年齢と外見でヴィブロスを担当に選んだのだろう。ヴィブロスは本来ならやっと中学生なりたてぐらいだし。ヴィブロスより年下は小学生……

 多分トレーナーさんも薄々察してるのだろう。この人は社会に放たれてはいけないガチ勢ということを。このままじゃヴィブロスの身が危ないということ。


 どうしようと考えている間にもヴィブロストレの手によって、ものすごい勢いで話題が移り変わっていく。今度はトレーナーさんにちょっかいをかけていた。

「もし〇〇先輩に好きな人が出来たらあたしが手を貸しますよ!」

「猫の手を借りても君の手は絶対借りない。犯罪に手を染めそう」

「でもあたし、こう見えて付き合ったら絶対浮気しないし一途なんですよ! もし破局したら電車に突っ込んで死にます!」

「愛ほど歪んだ呪いは無いよ」

 あっ、それは僕もトレーナーさんと別れたらそうするかも……


◇もう扱いきれないので割愛


 結局、ヴィブロストレは約一時間ぶっ通しで喋り倒した末に勝手に満足して去っていった。

 なんだろうな、嵐のような人だったなぁ……

「……これからどうするシュヴァル?」

「通報します」

「分かった。それじゃ自分は今から理事長に掛け合ってくる。その前にヴィルシーナへ話を通した方がいいかな」

「そうですね。姉さんはなんだかんだ頼りになるし」