「丁重にお断りします」
「驚愕、何故断るんだブライトトレーナー! まさか……既にメジロ家と話をつけてるのか!?」
「話をつけてるっていうか、『ブライト以外担当する気は無い』という通達をメジロ家へ送りつけたりはしましたね。勿論、当主様含めて反発はありましたけど」
「なっ……」
ほわぁ、理事長さまとトレーナーさまの三者面談する機会に恵まれましたわ〜。今回の議題はトレーナーさまのチーム創設問題。ですが、その辺はわたくしの根回しで既に解決済みですわ〜。
「ほわぁ、チームは無しという方向で話は終わりですわね。そもそも、わたくし達の恋愛にジャジャウマはいらないんですわ〜」
「一応、我が学園はウマ娘とトレーナーの恋愛は禁止なんだがな……」
ボソッと呟いた理事長の言葉を聞いてわたしくの堪忍袋が切れたのですかね。はしたないことは分かってますが、わたくしは心の中で理事長さまを罵倒してしまいましたわ。
その上でわたくしは発言の真意が気になったので、理事長さまに何故恋愛をしてはいけない理由を質問しましたわ〜。
「理事長さま〜ガタガタ抜かしてると<放送禁止用語>して犬の餌にしますわよ〜(何故ですか? 何故恋愛禁止なんでしょうか?)」
「恐怖ッ、今なんて?」
「発言を撤回しないと山の中で<放送禁止用語>して犬の餌ですわ〜(ですから何故恋愛禁止なのですか?)」
「スゥー、ブライトよ。私を脅迫してるのか?」
「筋違いなことほざこうものなら<放送禁止用語>ですわ♪今すぐ理由を教えるか、それとも言わずにぶち<放送禁止用語>か?(理由を教えてください)」
「あっはい。今ご説明いたします……実は学園当初からのルールでなのでな……有名無実化してる昨今、一応形だけあるだけなのです。あっ、ここまでで質問はないでしょうか?」
「ありませんわ勿体ぶらずにさっさと続けなさい♪(ありませんわ)」
「あっはい。すみません……ですから一応ルールがあるので恋愛事は控えてもらえたらこちらとしたら嬉しいかなと……そうだ、守ってくれたら報酬だってだす!」
「あなた、本当におバカさんですわね〜(お金はいらないのですが)」
「そこをなんとかお願いいたします!」(土下座)
「どうしましょうトレーナーさま〜」
「ああ、それよりさ。なんだろうブライト。多分、本音と建前が逆になってたよ? お嬢様が出しちゃいけないような危険なワードバンバン喋ってたし」
あら、わたくしとしたことついうっかりですわ〜。いつのまにか理事長さまは顔面蒼白で土下座もしてらっしゃいますし。
「理事長さま〜顔をあげてくださいな♪あら、気絶してますわね〜」
◇このあと、恋愛禁止のルールは無くなった