ゴルシT「打首獄門古代兵器が起動しただと?」
メジロ家に保管されていた『打首獄門古代兵器』それが今朝、ケーキを追いかけていたマックイーンの手によって封印が解かれてしまったらしい。
『打首獄門古代兵器』は危険だ。ウマ娘よりも速い時速80㎞で動き回り、さらに半径3m内に入ったすべての生物の首を瞬時に刎ねてしまう代物だからだ。しかも人間程度の知能も併せ持ってるときた。
現在、たまたま居合わせていたゴールドシップ達が止めようと頑張ってる。早く俺も向かわねば。
◇メジロ家屋敷
「悦べ雑魚ども、我がギロチンで散華する栄誉をやろう」
屋敷に駆けつけた俺に待っていたのは底無しの恐怖だった。この兵器、見た目こそサイボーグ人間だが両手は鋭利な刀になっている。近づいたら殺される。近づかなくてもウマ娘以上のスピードで近づかれて殺される。
「わりぃ、俺死んだ」
「いい気になるなよ! ギロチンはお前の専売特許じゃねえ!」
ここでゴールドシップが動いた。変な呪文を唱えだすと同時に空から大量のネギが屋敷内に降り注いでいく。
「ワカメもいるよ!」
「真面目にやれぇぇぇ!」バキッ!
「なんで俺ぇ!?」
ゴルシTのラリアットをモロに貰い、俺は地に伏した。
「よくもマクトレを傷つけたな! 許さん!」
激昂したゴルシTはそう啖呵を切り、兵器に向かっていく。
「フハハハハハハハハ! 我には向かってくるか! 面白い、ならば敬意と共に我が絶技を披露しよう!」
◇その瞬間、打首獄門古代兵器『かまいたち』を発動。三本の飛ぶ斬撃が屋敷を三枚おろしに切り裂いた。ゴルシTは光の速さで兵器側へ寝返った。ゴルシTはボコボコに殴られた後、マクトレを達がいる場所まで蹴り飛ばされた。
「おい兵器! お前の蹴りに怒りが見えるぜ。話してみなお前の過去を!」
「はぁはぁ……」
◇
これは我がサイボーグになる前の話だ。
「浸りすぎ!」
「ゴブァ!?」
兵器の回想すっ飛ばして躊躇なくドロップキックしやがった!?
防御が間に合わず、大量のオイルを撒き散らしながら吹き飛んでいく兵器。ゴルシのドロップキックをモロに食らったんだ。これは間違いなく致命傷だろう。
俺は虫の息状態である兵器にゆっくりと近づき、腕の縫い跡を見せた。
「兵器よ。この傷を覚えているか?」
「そ、それは!」
「今、ケガした」