二次短編小説置き場ブログ支部byまちゃかり

主にウマ娘の短編を投稿してます。基本的にあるサイトからの自作転載となります。

シュヴァル「契約解除ドッキリなんてするもんか!」

「はぁはぁ、ダイヤさん……仮に僕がトレーナーさんに契約解除ドッキリしたとしてなんになるんだ」

「上手くいけばトレーナーさんと良い雰囲気になって、男女の関係へ名実共になれちゃいます!」

「本当に?」

「無い。100%無い。それは断言できます!」

 その言葉を聞いて僕は再び走り出した。瞬時に反応して追いかけてくるダイヤさん。

「はぁはぁ、どういうこと? それじゃさっきの男女関係ウンタラカンタラは何……? 発言が矛盾してるよ?」

「そもそもシュヴァルちゃんにやらない選択肢なんてないんですよ。今もほら、カメラが回ってますし。最近は視聴者も刺激を求めてるんです!」

 誰か助けて……僕は只今、ハイライトオフダイヤさんに付き纏われています。しかもテレビで使うようなカメラを僕に向けながら余裕のニコニコ顔で追いかけてくるし、怖いよ。そもそも他にも適任者一杯いるはずなのに、なんで僕なんだ?

「シュヴァルちゃん。貴方も契約解除ドッキリして私達の仲間になりましょうよー。キタちゃんは本当に契約解除されかけたけど、楽しいですよー! 一緒に契約解除されないジンクスを破りっましょー!」

 ニコニコ顔なのにダイヤさんの目が笑ってない……! 捕まったら僕もああなっちゃうのか? 逃げなきゃ……

「悪夢しかない提案やめてください……! なんですか、人の心捨てたんですか!?」

「人の心なんか元からないよ。ジンクス破りと下心はありますけどね」

「そうくるか。このクレイジーダイヤモンドめ」

「失礼ですね。探究心ですよ」


          ◇


 道中ダイヤさんの圧力に晒されて体力の限界は近いけど、結果的にはなんとか魔の手から振り切った。多分、ダイヤさんが担いでたあのカメラが無ければ、きっと追いつかれてただろう。

「疲れた……早くトレーナーさんに会いたい」

 愚痴を溢しながらトレーナー室へ暫く歩を進めていた僕。すると反対側から見慣れた顔が見えてきて……

「あっ、キタさん……」

「……シュヴァルちゃん」

 ここにきてキタさんとバッタリ出くわしてしまった。よく見てみると目の下の隈が酷いことになっていて、その割には肌が無茶苦茶ツルツルで、何処となく幸せそうな表情を浮かべている。

「えっと、大丈夫ですか……?」

「大丈夫だよシュヴァルちゃん……契約解除ドッキリのお仕置きで毎晩トレーナーさんにアレなことやこれなことされて寝不足なだけだから。シュヴァルちゃんも契約解除ドッキリやってみなよ。楽しいよ」

 ええっ……キタトレさんに毎晩何されてるの? 怖いよ……結局、キタさんも契約解除ドッキリシンパだし。とりあえず、答えは決まっている。


「契約解除ドッキリなんてするもんか!」