二次短編小説置き場ブログ支部byまちゃかり

主にウマ娘の短編を投稿してます。基本的にあるサイトからの自作転載となります。

栗東寮に空き巣するトレーナーとエイシンフラッシュ

 深夜2時。静寂しきった栗東寮に忍び寄る怪しい影が一つ。

マルマイン! ノーマルテラスラル+ハチマキだいばくはつだ!」

 突如現れたマルマインは速やかに爆発四散し、ついでに栗東寮全域のガラスが破壊された。

 マルマインといえば節操無く爆発するイメージなのにA種族値50ってやる気あるのか。S種族値205に上方修正してやり直してこい。

「よっと、ファル子が寝泊まりしてる部屋はここだな。2人とも見事に熟睡してるな。不良爆弾使ったとはいえ割と思い切ったことしたはずなのに。ウマ娘って耳いいはずだよな?」

 スマートファルコンは俺の写真がペイントされている抱き枕を抱いて寝ている。

 同部屋のエイシンフラッシュは……あっ目があった、うん寝てるな。なんか彼女身体起こして周りをキョロキョロ見渡してるけど多分寝てる。寝ててくれ。

「問題なし。作戦続行。彼女らが起きる前に目的のブツを見つけてさっさとずらかる。音を立てず慎重に移動しよう」

 俺はスマートファルコンのトレーナーをやっている者。またの名を大泥棒ルパントレーナー1〜3世。実際何世かはよく分からない。考えたくもない。よせ。

 こいつは石川五郎左衛門三郎『またつまらないものを切ってしまった』後悔先に立たずってね。

 こいつは無期限借金大介『またつまらないものを切ってしまった』毎月借金を踏み倒しては理事長に金をせびる取り立て屋だ。

 こいつは銭形1000000世元警部『またつまらないものを切ってしまった』本当の名は銭形3世。

 こいつはふじこのヒモ。純度100のヒモ『またつまらないものを切ってしまった』働いたら負け。

 こいつはオルガ『またつまらないものを切ってしまった』

「てめえ喋るんじゃねえ! またぶっ殺してやろうか!」

「死んでも生き返るぞ」

 オルガっていつもそうだよね。あちこち転生して何企んでるんですか?

「ファルコンさんのトレーナーさんが窓から侵入してる!? あとルパン擬き一味に、ついでにオルガイツカもこの部屋集合!? 状況が分からない。何であなた方は深夜に私達の部屋でやばい会合をしているんですか!?」

「やべ、起きた」

 

             ◇

 

 完璧な作戦で栗東寮に忍び込んだ俺ことスマートファルコンのトレーナー。だがしかし、ファル子と同室のエイシンフラッシュに侵入したことがバレてしまった。

「大事な本大事な本。クソ、タンスの引き出しどれ開けてもブラジャーしか入ってない。そんな大量に必要かなブラジャーって。もしかしたら重ね掛けするのに必要なのかもしれないだろこのあほちん! そうだな相棒。これは次のトレーニングに活かせるぞ」ブツブツ

「ファルコンさんのトレーナーさん? 流石にトレーナーさんでも一線を土足で踏み込んでますよ? 今日の蛮行はファルコンさんのトレーナーさんに免じて目を瞑りますから早く出てってください」

「ごめんごめん、うるさかったね」ガサゴソ

「……フレンドリーな雰囲気に持っていってこの状況を乗り切ろうとしてます?」

「ん、ご飯食べた?」ガサガサ

「乗り切れてないですから!」

「まあ、ブツは手に入れたしバレる前にずらかろう。じゃあな」

「ちょっ、ここ3階ですよ! 躊躇なく飛び降りちゃいましたよこの人……」

 

 

「ルパンは大切なものを盗みました。昨日ファルコンさんが持って帰った資料に紛れて入ってた秘蔵のエロ本です」

「えっ? 銭形1000000世!?」

「銭形3世だ」

「やかましいです。ていうかなんで貴方だけ残ってるんですか! 早く出てってください!」

「ちなみにエロ本の中身はファルコンさん似のツインテール栗毛だ。トレーナールパンはこの本を日常的に使用して己の欲を担当にぶつけない様にしていた。しかし昨晩、担当に本が渡ってしまっていることに気がついたルパンは凶行に走ってしまった。そう考えるのが筋ですな。両片思いとは難儀なものだな」

「ああ、だから昨日ファルコンさんは悶々としてたと……その話詳しく聞かせてもらいましょうか。ええ、気分が変わりましたのではい。仕方ないので今日の予定は丸々破棄することにします。では初めに銭形先生。友人の恋事情を教えてもらいましょうか!」

 

 

◇次の日エイシンフラッシュは寝不足になった。